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農業用ストレッチフィルムの正しいラッピング方法
最初に、損傷のあるパレットや不完全なロールを受け取った場合、その使用は避けて下さい。損傷などの全詳細について14日以内に流通業者または販売業者に書面で報告し、指示を受けて下さい。芯の内側にある製造バッチ番号もお伝え下さい。
ロールは十分に注意を払って取り扱い、特に端部への衝撃は避けて下さい。ラッピングの最中にフィルムが裂ける原因となります。
フィルムおよびベールを化学製品(たとえば除草剤、殺虫剤、肥料、硫黄粉末、アンモニア、塩素、鉱油、銅を使った製品、鉄塵、亜鉛)に直接触れさせないで下さい。これらの化学製品は農業用プラスチックの自然分解を加速させます。
トラクターやラッピングマシンに搭載中やピックアップ時には、ロールを直射日光にさらさず、日陰に置いて下さい。高熱によりロールが縮む可能性があります。気温が極度に高い時間帯にはラッピングを避けて下さい。ラッピングは気温が35℃(100°F)未満の時に、できる限り日陰で行なうことをお勧めします。
牧草の刈り取りは穂が出始めた頃に行ないます。糖度が十分に高まり、家畜にとって消化が楽になります。牧草は5-7センチ (2-3インチ)の高さで刈り取ります。刈り取りは乾燥した晴れた日に行ない、雨天は避けて下さい。過度に水分を含んだままベールを密封すると、有害バクテリア、カビ、酪酸が生じ、家畜の健康を脅かす結果になります。また、フィルム層の間の密閉度が低くなるため、雨の中でラッピングはしないで下さい。
サイレージ用ベールは乾物(DM)の割合を35%-50%にして密封しなければなりません。DM含量が少ないと有害バクテリアや有毒排水が増えます。DM含量が55%を超えるとカビが発生するリスクが高まり、糖分が減少します。ヘイレージ(サイレージと干し草の中間の水分含量)を作る場合のDM含量は約60%となり、発酵が抑制されます。低水分のヘイレージは高品質になることもありますが、発酵が進まずpH値が高くなって腐敗する危険性も高くなります。すべてを適正に行わない場合、極めて厳しい結果もあり得ます。また、水分は牧草由来であるべきで、露や雨ではいけません。
たとえば、高密度のベールを作る場合、雨にぬれた飼料を使わない、ラッピングは手早く行なう、穴は補修するなど、優れた管理要素が必要となります。
ヘイレージを作る際、DMは60%以上となるため、水分の多いサイレージ作りに比べると発酵プロセスが緩慢になります。すなわち、酸素が十分に消費されないので、フィルム層の数に関わらず、カビが生える可能性があります。場合によっては、ベーリング作業の際に適切な液体添加物を使うことによって発酵性糖質の濃度を高め、乳酸発酵を促すと、ヘイレージ中のDMの保存状態が良くなります。ヘイレージの作り手は、ヘイレージ生産に高度に熟練し、家畜に必要な栄養について十分理解していることが理想的です。取り残しを回収した牧草を家畜用のヘイレージとして使うべきではありません。
ベールは左右対称、均一の大きさで、十分に圧縮し、できるだけ空気を含まず安定するようにします。酸素含有率の低い高密度なベールは酸素の侵入を防ぎます。一般的に、大きな長方形のベールの方が大きな円筒形のベールよりも高密度になります。使用する積み込み用トラクターが扱える重量を超えない、またはラッピングマシンが扱える大きさを超えないサイズのベールにします。ベールが重くなるほど、フィルムを破損せずに扱うことが難しくなることを忘れないで下さい。
形が不ぞろいなベールの場合、フィルムがプレストレッチによって過剰に伸びてしまうか破れてしまい、正確に重ね合わせることができなくなるため、ベール内部に空気が入ってしまいます。
サイザルトワインを使わないで下さい。ストレッチフィルムを分解させる添加剤がしみ込ませてあります。ベーリングにはポリエチレンのネットまたはポリプロピレンのひもを使って下さい。
ベーラーとラッピングマシンは、冬が終わった後のシーズン前に必ず補修して下さい。さび、泥、フィルム片を取り除き、破損部品を交換し、カッターの刃を研ぎ、可動部に油を差して、鋭利な端部によってフィルムやベールが傷つかないことを確認して下さい。
プレストレッチング装置のついたラッピングマシンを正しく維持管理して下さい(プレストレッチ・ローラーは定期的に揮発油で拭いて粘着物を取り除きます。特にゴム・ローラーのあるラッピングマシンとプレストレッチング装置の可動部は、メーカーが推奨するとおりに十分な潤滑油を差しておきます。)プレストレッチング装置は、フィルムロールがベール中心部の高さと同じ高さで水平に並ぶように、ラッピングマシンに取り付けます。
使用するまで、フィルムロールは段ボール箱に入れたまま保管し、乾燥した場所で直射日光と高温を避けて保管して下さい。ストレッチラップは「生の」製品で時間と共に変化しますので、適切に保管されない場合には品質が変化します。理想的な保管温度は15-20℃(59-68°F)ですサイレージ用ラップロールは、購入した日から2年以内に使用して下さい。
変形および必要以上のフィルム使用を避けるため、ベーリングから2時間以内にラッピングすることをお勧めします。またさらに重要な点として、2時間経過すると発酵プロセスが始まり、サイレージの質が下がる危険性があります。